欠けた!割れた!そこによぎる「金継ぎ」という選択肢

つくること

コップが欠けた。
お気に入りのコップだった。
手が滑って欠けた。洗ってるときぶつけた。

お皿が割れた。
手が滑って落とした。洗ってるとき滑った。

シチュエーションはさまざま。(でも似てる。)

欠けを見つけるのは意外と後日。
割れを見つけるのはその瞬間。

時間よ巻き戻れと思ってたりする。
思い出がよみがえってしばらく立ち尽くしてたりする。

「金継ぎ」という、昔からある繕い方法がある。
丈夫な漆で接着して、蒔絵を施す。
食器に使用するには安心安全な繕い方法だ。

昔からのやり方は、とても時間がかかるため、現代版は接着剤やパテを使ったりもするそうだ。そうやってくっつけたものに、金粉だったり、金絵具を施す。
このやり方では再び食器として使うことは難しく、再生されたとしても以前のような使い方はできない。

私も以前は現代版のやり方で、みようみまねで欠けた器を直していた。
でもやっぱり、食器としてまた使いたい!と思って、昔ながらのやり方「本金継ぎ」を習いに行っていたことがある。

いや、それがほんと、手間のかかる作業で。。
ほんと、驚きました。
その日に接着段階までいくかと思いきや、丈夫にくっついてもらうために、割れた面や欠けたところにとりあえず漆を塗って…拭き取る。
はい、本日ここまでです。
室(ムロ)に入れて乾かしておくね♪
まじか。。今日の作業終わった。。

そして翌レッスン日。
ついに原形復活か!?と思いきや。。
自重でくっつけたいから、ひとつひとつくっつけていこうね。とな。
接着剤となる漆は点々っと付ければ大丈夫。
はい、本日ここまでです。
室(ムロ)に入れて乾かしておくね♪

なんとなんと、予想以上に時間がかかるではないか。
その後も「割れ」から「ヒビ」へと修復された患部に、毛細管現象で漆を染み渡らせて…乾燥。
凹みがなくなるまで数回に分けて漆を塗り重ね…
金粉を振り乾燥…
金粉が取れないように上から漆を塗り定着させて…
かぶれないように1ヶ月ほど放置。

想像を超える工程と手間の「本金継ぎ」でした。
だから工芸品のような高価なものにしか本金継ぎでは金継ぎしないのか。
金の値段もあるしね。

そんなことを思いながらも、常日頃使っているお気に入りの器が割れた時のショックは大きく、身近だ。
「直したい」と思えるお気に入りの食器を、日頃から使っていたいと思っているので余計に。
でも直すっていったって…新しく買った方がお安いでしょう?
値段をとるか、想いをとるか。。

金継ぎといえば、最終的に繕いヵ所は金色に輝いていると想像するのが一般的ではないだろうか。
しかし、最終的な彩飾は幅広かった。
銀もできる。真鍮も。
言ってしまえば色漆もありなのだ。

私は日常使いの器たちを、真鍮で彩飾したり、黒漆でそのままフィニッシュしたりするようになった。
真鍮は渋い。
最初はある程度の輝きがあるが、次第にアンティーク調にくすみだし、育ててる感。
黒漆でのフィニッシュは、やはり漆だけだど弱いという噂もあるが、漆の光沢が磁器にマッチしているような気がする。
他の色漆があればそれでもいいのかもしれない。私は基本の黒しかもっていない。。
白い漆でフィニッシュしている人もいた。

と、このようにお高い金粉だけが最終形態ではないことに気づき、お気に入りの日常食器が割れても、「大丈夫、本金継ぎできるから」と、以前と比べてショック度合いが大幅に軽減された。

自作の哀愁漂う器も復活。。
激しい。。
銀にしようか悩み中。黒漆の輝きも捨てがたい。

近年は実家で増え続ける割れた食器たちを、気長に修復し、復活させる日々である。
友人のお気に入り器たちも助けているのだが、気長にお待ちいただいてしまって…面目ない。。(みなさまもうすぐですー!)

不死身と化した食器たち。
より一層お気に入りの器しか買えなくなりました。
日々お気に入りの器を使うのは、気分が良い。
そして、そんなお気に入りの日常うつわが壊れてしまった際には、是非繕うことも検討してみてね。
気長に待てる友人は気軽にお問い合わせしてみてね。笑

そうはいっても割りすぎな気もする。。

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