この記事は、2009-07-27にアメブロに掲載した過去記事です。旅の記録として。
完璧個人旅行なこの旅、THE地元民化を目指しちゃって有名所をまわれなかったりして…と、出発前から密かに感じていた私達。
少しは学んで帰ってこようじゃないか!と、日本人を相手にしたツアーをやっているmysuomiさんで、半日ツアーの「アルヴァ・アールトツアー」に申し込んで旅立ちました。
アルヴァ・アールトは、フィンランド出身の建築家兼デザイナーです。
建物から家具、ガラス食器まで幅広くデザインしているので、イッタラから発売のアールトベースなど、名前がわからずともきっと彼の作品はどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
祖国フィンランドではユーロ前のお金、マルッカ紙幣にも肖像画が使われていました。
デザインが好き、建築も結構好きなので、ガイドブックを見てはアールトさんのアトリエや自邸など、気になっていました。
個人でも直接電話で事前予約をすれば、英語での見学に参加できるようでしたが、英語で聞いて果たして理解出来るのか、絶対謎に終わると思ったので、日本語ガイドのこのツアーを利用したのです。
さて、ガイドさんとは朝9時にAleksanterin通りにある観光案内所前集合です。
その途中、いつも前を通っては気になっていたkamppiの広場にあるモニュメントをカメラに収めました。
地元民の待ち合わせ場所になっているのか、いつも前に人がいて撮れなかったんだなぁ。
そして観光案内所の隣にある開店前のイッタラコンセプトショップ。
ガラスのコップで表現されたトリのモザイク画には思わず立ち止まってしまいました。
観光案内所に着くとガイドさんらしき日本人女性が一人。
どうやら今日のツアーは私達だけで、プライベートツアーになっちゃいました。
来た道を戻り、kamppi駅からバスに乗って、まずはヘルシンキの隣町、エスポー市にあるヘルシンキ工科大学に向かいました。
アールトはヘルシンキ工科大学で建築を学び、その後には大学の建築をしています。
大学内にバスは停まり、緑豊かな広い大学内を案内してもらいました。
夏休みなので、学生はあまり見かけず、がらーんといった感じ。
大学図書館↓
外からの光が入るように設計された図書館内は、とても明るく、今の季節は自然光だけで充分。
学生が集うスペースも、なんだかオシャレ空間。
建築学科棟では大講堂を見学。
ここで授業が行われるんですね。
机がないじゃんと思ったら、席の前に収納されてました。
こちらもやはり自然光のみでこの明るさ!
白夜の時は自然光のみで、冬は貴重な光をどれだけ取り入れるか工夫されているんですねぇ。
まさかフィンランドに来て、地元の大学を見学できるなんて思っていなかったのでとても良い体験でした。
ヘルシンキ工科大学は、この辺では敷地が一番広い大学のようです。
学生寮も何から何まで、敷地内で学生が生活出来る設備が整っているようでした。
ちなみにこの大学、木について学ぶコースがあるらしく、なぜか日本人の学生が多いとのこと。
それを聞いて「いいな~!」と私達。
その反応にガイドさんは予想外だったらしく、びっくりしていらっしゃいました。
あぁ、留学…いいですねぇ。
一通り大学を周り、タクシーに乗って今度はアールトのアトリエへ。
通常の英語ガイドの説明後に、時間差で案内してもらえました。
英語ガイドの皆が去ってから、そのエリアを説明、という感じだったので、とても見やすかったです。
このアトリエは今も使われているアトリエです。
一日一回、この時間にのみ見学できますが、あとの時間は入ることができません。
中心に見える低い柵の向こう側は、立ち入り禁止のオフィス空間で、スタッフさんが働いていました。
手前の机には興味深いものが。
ガイドさんが発見して教えてくれたのですが、スタッフの夏休みのスケジュール票が置いてありました。
こちらは社会人でも一ヶ月、夏休みが貰えるみたいです。
4週間まとめて取る人、一週間ずつ分けて取る人など様々でした。
皆さん何をするんでしょうか。
きっと更にのんびり出来る環境へ行き、自然を眺めながらのほーんと本当のお休みを楽しむのでしょう。
その生活、私には合っている、絶対。
会議室↓
壁面には図面の入った筒が沢山積まれていました。
そして図面が貼られた壁面も。
外からの光が入るように工夫されていて、自然のライトが図面を照らしていました。
アールトの作業場↓
外が見えて、とても明るいこのお部屋。
アールトデザインの椅子、ライトなどが置かれていました。
当時、弟子になりたいと訪ねて来た人を拒まなかったというアールト。
ライトの吊るされている2階のスペースから自分を見下ろさせて、見学させていたみたいです。
他にもスタッフが集まる食堂や、外のお庭でのミーティングスペースなど、皆和気あいあいと仕事出来るような環境が整えられていました。
アトリエでの見学が終わり、次はアールトの自邸を見学します。
自邸までは当時アールトが通勤していたという海沿いの道を散歩しながら向かいました。
と、途中で珍しい光景を発見。
ちょっとわかりにくいですが、これは絨毯の洗い場。
フィンランドでは伝統的な年間行事の一つらしいです。
自分の家から絨毯を運び、洗い場に備え付けの松の石けんで絨毯を洗い、その場に干して、乾いたら取りにくる…。
ずらずらずら~っと干された絨毯。
洗車場ではなく絨毯洗い場とは珍しいですよね。